褒めるって??なぜご褒美をあげたくなるの?!
こんにちは。
東川口モンテッソーリ 幼児教室の山内由華です。
今日も読んでくださり、ありがとうございます^_^
さてさて。
子育てで迷うことの中に
褒める?叱る?
ご褒美はあげる?あげない?
ということがあるのではないでしょうか。
今日は、そんなお話について。
心理学において、褒めることによる効果は検証されていて、
褒めるなどの言葉によって報酬を与えることを「内発的動機づけ」といい、
モチベーションを「長期的」に高める有効な方法といわれます。
自閉症などの療育の方法の1つとして、褒めることやご褒美をあげることをとり入れている場合もあり、
褒めることで、その前に行った行動を良い行動だと認識させ、社会への適合行動を増やしていきます。
発達に障害がある子供は、コミュニケーションが難しく、褒める言葉をかけても、褒められていると受け取れない子供もいるため、
過度に褒めなければ、効果がでないこともあります。
何だか難しくなっちゃいましたが、
要は、ご褒美があったり、言葉で褒められれば、人はやる気になりますよね
ってことが、
きちんと立証されているということですね!
一方で。
「こどもを励まし、こどものしていることに関心を示すのは先生の役目ですが、『やりすぎて適量を越えないように』注意しなければなりません。こどもが『先生から誉められたい』ばかりに作業することになりかねない誉め方はしないことです。もしそれをすれば、子どもの知的発達にとっては何の価値もない『うわべだけの興味』を与えることになります。」
これは、スタンディング著の『モンテッソーリの発見』という本に書いてある一節です。
モンテッソーリ教育では、子供のやったことに対して、過度に褒めることをしません。
それは、褒めるという行為が
”すぐれているとして、その人や事を良く言う。”
つまり、ある種の評価を下しているという行為だから。
子供は、自分自身で出来たこと、思い通りに体を使い、やりたいことが出来たこと、その行動そのものに達成感を持ちます。
試行錯誤の過程を楽しみながらね。
だから、拍手をしたり「すごい!!」と言葉で表現せずとも、目を合わせ、微笑み、共感し、認めてあげるだけで、子供は満足するんです。
せっかく、試行錯誤を楽しみながら自分を向上させることが楽しいと思っているのに、
過度のご褒美を与えられてしまうことにより、
子供の行動の目的が、評価にすり替わってしまう、
そんな悲しいことはありません。
行動の目的が評価であることが当たり前になって子供ほど、
自分の欲求ややりたいことがわならなくなってしまいがちです。
それは、行動の理由が自分自身の気持ちでなく、評価を下す人にあるため、自分の気持ちに蓋をするクセが付き、やがて気持ちそのものに気がつきにくくなり、周りの顔色ばかりを伺うようになってしまうから。
アドラー心理学においても、褒める、叱る、教える、ではなく、勇気付ける、という姿勢が大切と言われています。
これは、「褒めることは相手の自律心を阻害し、褒められることに依存する人間をつくり出してしまうことになるから」とされ、モンテッソーリ教育における考え方と似ている部分があります。
もちろん、子供がたくさんたくさん努力した後に何かが出来るようになった時、
親御さんも思わず声を出して大喜びしちゃうこともあると思います。
大切なのは、あくまでも、過度に褒め過ぎないということ。
ただでさえ、小学生以降は、評価システムの中で義務教育をこなしていかなきゃいけないわけだから
せめて家では、そうでない姿勢で
子供と向き合いたいものですよね。
ついついご褒美に頼り、
子供を良くしようと思うお母さんも
多いと思います。
でも、ご褒美を使って子供を“コントロール”しているという自覚は必要なのかもしれません。
子供がどうしてその行動をしたがるのか、
本当に自分は今、子供をコントロールする必要があるのか(しつけという面においても。)、
ご褒美をあげないと頑張れないことを、子供に強いていないか、
ご褒美じゃなく、子供が自分からやりたくなる声かけが出来ないか、
こんなことを、一呼吸置いて考えてみることは、
子供の自主性や自己肯定感を育てる上では、
とても大切なんじゃないかなと思います。